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2020-11-04

アマゾンジャパンが訴えられた件

前回からは4カ月経ちましたました。
ご無沙汰しておりました、ナカイです。

ネット通販の気になるニュースを考察。
久々の記事を書きたいと思います。

アマゾン訴えられたってよ。

提訴に至った原因

 ネット通販大手「アマゾン」を通じて海外の業者からバッテリーを購入した男性が、欠陥製品だったため出火し、自宅が燃える被害を受けたのはアマゾン側が販売業者や商品の審査を怠ったためとして、米国の本社と日本法人に賠償を求める訴訟を東京地裁に近く起こすことが24日、分かった。  男性の弁護士によると、消費者被害を巡り海外にあるプラットフォーマー本社の責任を問う訴訟は異例。ネット取引が一般的になった一方、出品者と購入者のトラブルは増加しており、特に相手方が海外の場合、交渉すら困難なケースが多い。取引を仲介する立場の責任を求める声が上がっており、訴訟は注目を集めそうだ。西日本新聞

引用元の写真にモバイルバッテリーとの記載がありますので、いわゆる「令和最新型」や「2020年最新型」と揶揄されている中国業者出品のマーケットプレイス販売品と思われます。

amazon.co.jpよりキャプチャ 令和最新型一覧!

※多くの中国出品者が、自分の販売する製品が最新で高性能である事をPRするために、商品名に「令和最新型」などの文言を入れることが多く、中国出品者の怪しげな商品の蔑称としてネットスラングで「令和最新型」という言葉が使われるようになりました。

amazon.co.jpのモバイルバッテリー販売状況。

アマゾンのモバイルバッテリーカテゴリは、Ankerが日本での販路としてamazonに力を入れた結果、Ankerの独壇場となっています。

2020年10月28日のamazon.co.jpよりキャプチャ モバイルバッテリーカテゴリ


Anker以外の商品は、中国の出品者が販売する商品が検索上位を占めます。
Ankerも中国のメーカーですが、アンカー・ジャパン株式会社という現地法人を設立して、ローカルでカスタマーサービスを提供しています。

今回のニュースを受けて、youtubeで有識者が日本製の物を買った方が安全などと発言されているのを見ましたが、そもそも日本のメーカーはモバイルバッテリーの市場からほぼ撤退しています。
数少ない日本メーカーの商品も、結局は中国の工場でOEM製造されていますので、中国製が悪いではなく、サポート体制がしっかりした信頼のおけるメーカーの商品を買った方が良いという表現が適切と思いました。

個人的には、amazonで販売されているモバイルバッテリーで、信頼性(カスタマーサービス含む)、安全性、コストパフォーマンスで選ぶと、Anker一択と思います。

なぜ出品者を訴えないのか。

通常の流れでは、アマゾンではなく販売者を訴える事となります。

石油ファンヒーターの機器不具合で出火した場合は、販売店の家電量販店ではなく、製造メーカーを訴えますよね。
amazonでの購入に置き換えても、訴える相手は不具合のある製品を作った製造者であり、販売店を訴えても責任を問えないから意味がないと思いますよね。
弁護士さんも普通は製造者責任を問う事を勧めるはずです。

では、なぜ出品者ではなくアマゾンを相手に起訴したのか。
おそらく下記画像のような中国業者から購入したからと思われます。

amazon.co.jpよりキャプチャ 

販売者(出品者)に連絡をとる方法は、amazon経由でメッセージを送るか表示されているカスタマーサービスの電話番号に電話するしかないです。
販売者が中国在住の業者で、日本国内でのカスタマーサービスを提供していない場合は、中国に電話する事になります。
※上の画像のように+86から始まる番号は中国です。

中国在住の出品者にバッテリー不具合に起因する火災が起きたので責任を取れと連絡しても、のらりくらりと避けられたら話が進みません。

法律上は、商品の受け渡しが日本国内で行われており、日本語で売り買いが行われている事から日本の裁判管轄となりますが、仮に相手が出廷せずに勝訴してもその判決執行が相手先の国で承認されるかは別の話です。

中国在住の出品者を訴えても、賠償金を得るのは至難の業です。

今回は、中国在住の出品者を訴えても逃げられて意味がないとの判断で、アマゾンジャパンに責任を問う裁判を起こしたと思われます。

アマゾン相手に勝ち目はあるのか。

中国にいる販売者に責任を取らせる事は難しい。
だからと言って、アマゾンに責任を取らせることは可能なのか。

弁護士さんが引き受けた以上は、それなりに勝算があるのかと思い他国のアマゾンで似たようなケースがないか調べてみました。

Amazon can be sued over third-party sales on its platform, a federal court ruled today, setting a potentially damaging precedent for the company.THE VERGE

2019年7月3日 アマゾン経由でサードパーティ(マーケットプレイス出品者)が販売した製品について、責任を負う必要があるとの判決

KEY POINTS ・A California appeals court ruled Thursday that Amazon can be held liable in the state for faulty products sold on its website. ・The ruling deals a major blow to Amazon, which has for years fought off product liability lawsuits. ・Amazon’s marketplace helped the company deliver record earnings last quarter. CNBC

2020年8月13日 カリフォルニア州の裁判所は、amazonが自社のプラットフォームで販売された欠陥のある製品に対して、州内で責任を負うべき。

アマゾンはマーケットプレイス出品者が販売した商品について、責任を負う必要があるかという問題が争点となった裁判は、アメリカで多く争われており、近年はアマゾンが責任を負うとのアマゾン不利な判決がでているようです。

今回、弁護士さんがアマゾンジャパン相手に裁判を起こしたのは、上記のようなアメリカでの判例を基にある程度の勝ち目があると判断したと考えられます。

今回のまとめ


中国業者が販売した製品の不具合問題は、アメリカでも問題となっており、プラットフォーマーのアマゾンに責任があるかを争点とした裁判が起こされています。

日本のアマゾンでもモバイルバッテリーを含むデジタルガジェットカテゴリの中国業者の勢いは凄まじいので、リチウムイオン電池を含む製品を購入する際は、なるべく日本国内にサポート窓口が所在している会社から購入しましょう。

購入前に、販売者の電話番号を見て、+86から始まるなど、海外に問い合わせ窓口がある場合は購入しない方が安全です。

アマゾンが発送する場合でも、販売者がアマゾンではない場合もあるので、必ず販売者は確認して購入してください!
個人的には、Ankerを買っておけば間違いないと思います。

amazonマーケットプレイスは、リチウムイオン電池以外にも個人事業者の食品並行輸入販売という爆弾を抱えているので、マーケットプレイス販売品の責任を負わなければならないとの判決がでたら販売スキームを根本から見直す必要がでます。

今後のEC業界に一石を投じる裁判になるかもしれません。

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